blanc

proprioception

line

プロプリオセプション(固有受容感覚)とは、プロプリオセプターが筋肉や腱の張力などを検知して、身体の三次元的位置情報や物体の重量などを中枢神経に伝える、そのシステムのことです。

…わかりにくいですね。

今回はこの「プロプリオセプション」についてできるだけわかりやすく説明します。

line

感覚器と運動器

人も犬も、外部のいろんな情報を「感覚器」でとらえています。自分に向かって飛んでくる蚊の動きを捉える目は「視覚器」、音で父親の声かカミナリの音かを聞き分ける耳は「聴覚器」、そのほかに味を判断する「味覚器」や匂いをかぎ分ける「嗅覚器」、触ったものの温度や表面の状態などを知る「触覚器」…それらをまとめて「感覚器」といいます。
そして、手足や胴体など自分の意思で動かすことができるカラダのことを「運動器」といいます。
「感覚器」で得られた情報は脳や脊髄に伝えられ、脳や脊髄から「運動器」に、こう動かしなさい、という指示が出ます。

「飛んでいる蚊を左手でつかまえる」という運動は、「蚊が飛んでいる」という情報を目が捉えて脳に送り、脳が「とらえなさい」という指示を左手に送ることで、左手が蚊をとらえる運動を起こすわけです。この運動における「感覚器」は目、「運動器」は左手です。

ことほどさように、人も犬も、この「感覚器」と「運動器」を駆使して、外部のいろんな情報を元にカラダを動かしていることが多いのです。

line

プロプリオセプター(固有受容感覚器)

「感覚器」のひとつにプロプリオセプター(固有受容感覚器)というものがあります。覚えにくい英語をさらにわかりにくい日本語で翻訳するものですから、たまりません。

このプロプリオセプターという感覚器は、どんな情報をとらえるのかというと、右に傾いているとか前つんのめりになっているといった自分の姿勢(身体の三次元的位置)の情報や持っているものの重さ(物体の重量)の情報などなのです。目や耳といった「感覚器」は外からはっきりと見ることができますが、このプロプリオセプターは筋肉などに埋もれていて普通の人には見ることができません。それも多くの人がこの言葉になじめない一因なのでしょうか。

バスが急停車した時に足を踏ん張るという運動を行ったとします。急停車するバスの動きの情報をとらえたのは、目でも耳でもなく、この筋肉などに埋もれたプロプリオセプターという感覚器であり、そのプロプリオセプターがとらえた「バスが急停車した」という情報を脳に伝え、脳が足に「踏ん張りなさい」という指示を出したから倒れずに済んだわけです。

※ 反射運動など脊髄が指示を出す運動もありますが、ここでは運動器に指示を出すのはすべて脳ということにしておきます。

このプロプリオセプターがカラダの姿勢などの情報をとらえて脳に伝える仕組を「プロプリオセプション」といいます。

line

プロプリオセプションの活性化

プロプリオセプターもさまざまな原因でその機能が衰えてくることがあります。その機能を回復させようというのが、プロプリオセプションの活性化を図る運動です。プロプリオセプション機能というのは、姿勢を元に戻す機能ですので、保ちたい姿勢が崩れるような運動をさせれば良いのです。バランスボールの上に乗せてゆらゆらさせたり、足元の悪い砂地や雪の中を歩かせたり、後肢だけで歩かせたりする運動がこれに当たります。湖に浮かぶボートの上で立たせるだけでもプロプリオセプション機能の活性化運動になります。

line

プロプリオセプション機能とバランス能力

姿勢を戻す運動であれば、それは「バランス運動」ではないか?と思った方もいらっしゃると思います。そのとおりです。運動としてはほぼ同じと考えて間違いありません。ただ、プロプリオセプション機能に問題がなくてもバランス能力に問題があるケースがあります。
一つは下行性神経(脳から運動器等に向かう神経)の不具合です。プロプリオセプターがとらえた姿勢情報はちゃんと脳まで送られているのに、脳から運動器までの指示がうまく伝わらないケースです。これではうまくバランスをとることはできません。
もう一つは運動器である筋肉や関節などの不具合です。プロプリオセプターがとらえた姿勢情報はちゃんと脳まで送られているのに、そして脳から筋肉まではちゃんと指示が伝わっているのに、筋肉が思うように動かないケースです。

愛犬がよくつまづくようになった時は、歳のせいだと思い込まず、どこに問題があるのか、まずは専門の獣医師に相談しましょう。

line

クレール・コンサルタント