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canine osteoarthritis

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変形性膝関節症(膝OA)は、膝関節内軟骨が摩耗することで関節の機能障害が生じる疾患です。

外傷や骨の変形、通風などの他の疾病が原因となる場合もありますが、ここでは、加齢を原因とするもの(一次性変形性膝関節症)について説明します。

※ 一部「人」の変形性膝関節症に関する研究結果も考慮されています。

変形性膝関節症と理学療法

高齢になると、多くの人や犬が関節をやられてしまいます。愛犬がその兆候を示した時は、なるべく早く専門獣医師の診断を仰ぎましょう。

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肥満の解消(ダイエット)

肥満犬何よりも先にやらなければならないことは「肥満の解消」です。

軟骨は負荷で強化することができませんので、運動による予防策は、不動化を避けて筋肉の衰えを防ぐ程度のことしかできません。軟骨の摩耗が炎症につながった時には、運動による肥満解消も難しくなりますので、高齢になるまでのカラダづくりが大切になります。

肥満については、寿命との関係や膝OA発症率との関係に正の相関関係がある、との研究結果が報告されています。肥満解消のメドは体脂肪率20〜25%となります。

人に関する研究では、膝にかかる荷重は、歩行時に体重の3倍程度、階段を上がる時は7倍程度とされていて、体重が減ればその負荷は大きく減じられるとされています。犬は4足歩行の生き物ですので人ほどではないかもしれませんが、それでも原料の効果は大きいでしょう。

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予防のための栄養

グルコサミンやコンドロイチンにせよ、プロテオグリカンにせよ、栄養の経口摂取がどれだけ効果があるのか賛否両論渦巻き、最近の研究ではほぼ否定されつつあります。
一方、関節機能を保護してくれる最も大切な組織は「筋肉」であり、その筋肉を強化することが加齢による変形性膝関節症を遅らせることが報告されています。つまり、筋肉を強化する良質のタンパク質及びその同化(筋肉が作られること)に必要なビタミンやミネラル、必須脂肪酸の摂取が膝関節のためにも重要ということになります。

摂取した食材がアミノ酸に変わって体内で筋肉の素材となるタンパク質として合成されるためには、アミノ酸スコア100の食材(肉や魚、乳製品、大豆など)の積極的な摂取が推奨されます。

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患犬の運動

人も犬も、歳をとるとカラダのいろんなところにいろんな不具合が出てきます。運動は犬に負荷を与える作業です。跛行が膝OA以外の疾病等に起因することも考えられますので、専門獣医の評価と診断を仰ぎながら実行していくことが重要となります。

スイミングやゆっくりとした散歩が最適な運動です。よくウォーミングアップでカラダを温めてからPROM(人の手で行う屈伸運動)を行った後、運動をやらせましょう。

スイミングは、疼痛(痛み)を緩和しながら筋力を強化できますので、弱い関節炎を患った犬や高齢になりつつある犬に最適な運動です。1週間に1〜2回10分程度のスイミング(ウォーターセラピー)と普段の短時間高頻度の散歩で膝OAを予防しましょう。

散歩は短い時間の散歩を長い間隔を空けて多頻度行うことが基本ですが、犬の体調を考慮しながら行います。バランスボールを使った屈伸運動は衝撃を少なくするという意味では好ましいのですが、落下事故による悪化などを考えると、関節炎の犬にはかなりの注意が必要です。やっぱり、一番適しているのはスイミング(犬に自由に泳がせるフリースイミングよりも、セラピストがコントロールするウォーターセラピーの方が良いでしょう)ですね。

ちなみに、人の膝OAと運動の関係については、長時間の歩行と症状悪化との関連は低いと報告されています。

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関節リウマチ

膝OAに症状が似たものに「関節リウマチ」があります。膝OAが主に物理的圧力による変形を原因とする整形疾患で、関節リウマチが免疫疾患という違いはありますが、どちらも運動療法がすすめられます。運動のやらせ方は基本的に変わりません。

健康な犬の歩き方と比較すると、手根・足根関節や趾節間関節の屈伸(=肢先の屈伸)度合いが違うのがよくわかります。筋肉の進展度や関節の可動域を改善することで歩様は変わると思います。そのトレーニングも、やはりおすすめできるのはウォーターセラピーでしょう。

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クレール・コンサルタント