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犬と栄養

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食材タンパク質は、豚肉や魚などの動物だけではなく、豆や野菜などの植物にも含まれています。それらを食べると胃や小腸などで分解されてアミノ酸に変わり、小腸から血管を経て自分のカラダの体内タンパク質に変わります。当然と言えば当然ですが、肉を食べたら筋肉に、骨を食べたら骨になるのではなく、自らのカラダを形作る独自の体内タンパク質に変わります。そして、その時、ビタミンやミネラルがそれぞれの場所に適した体内タンパク質に変わるのを手助けしてくれます。

主な体内タンパク質

体内タンパク質部位不足アミノ酸
コラーゲン骨・皮膚・筋膜・腱・靭帯トリプトファン
エラスチン項靭帯・黄色靭帯・動脈メチオニン
ケラチン毛髪・爪トリプトファン
アクチン/ミオシン筋線維-
ヘモグロビン-

タンパク質分解・再合成に必要な栄養素

栄養素機能
ビタミンCコラーゲンの合成
ビタミンB6タンパク質の分解
コラーゲン・ヘモグロビンの合成
エラスチン・ヘモグロビンの合成
亜鉛ケラチンの合成

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必須アミノ酸

では、必要なビタミンやミネラルさえ欠かさなければ、どんな食材タンパク質を食べても同じか、というとそういうわけではありません。食材タンパク質が分解されてできる全部で20種類のアミノ酸の内、人には人の、犬には犬の「必須アミノ酸」というものがあります。
アミノ酸の中には、体内で合成できるものがあり、それらは体外から摂取しなくてもよい「非必須アミノ酸」と呼ばれています。逆に、10種類は体外から摂取しないと得られない「必須アミノ酸」と呼ばれ、栄養摂取ではこの「必須アミノ酸」が重要視されています。

体内ではこれらのアミノ酸で体内タンパク質が合成されるわけですが、食材によって「必須アミノ酸」の含有率は異なっていて、すべての必須アミノ酸が十分にバランスよく含まれている食材が「アミノ酸スコア100」と評価されます。肉や魚、卵、牛乳、大豆などです。

最近、コラーゲン供給大手のニッピは「非必須アミノ酸」の重要性を唱え始めました。「非必須アミノ酸」は体内で合成できるがゆえに経口摂取する必要がないわけですが、進化の過程で体内で合成できるようになったのは生きるために重要であるからに他ならない、という考え方であり、加齢や疾病などでその合成能力が衰えた時は経口摂取すべきであろう、というものです。

何はともあれ、こうして口から入った食材タンパク質が私たちのカラダの中で別の体内タンパク質に変わってカラダは強くなるんですね。

AAFCOのドッグフード栄養基準

NRCのドッグフード栄養基準

手作りレシピの設計法

必須アミノ酸と非必須アミノ酸

アミノ酸AAFCO基準
幼犬成犬
アルギニン必須1.00%0.51%非必須
ヒスチジン必須0.44%0.19%必須
イソロイシン必須0.71%0.38%必須
ロイシン必須1.29%0.68%必須
リシン必須0.90%0.63%必須
メチオニン必須0.35%0.33%必須
フェニルアラニン必須0.83%0.45%必須
トレオニン必須1.04%0.48%必須
トリプトファン必須0.20%0.16%必須
バリン必須0.68%0.49%必須
システイン非必須非必須
チロシン非必須非必須
アラニン非必須非必須
アスパラギン非必須非必須
アスパラギン酸非必須非必須
グルタミン非必須非必須
グルタミン酸非必須非必須
グリシン非必須非必須
プロリン非必須非必須
セリン非必須非必須

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コラーゲン合成

全身の筋膜も、骨も、軟骨も、腱も靭帯も、コラーゲンが形作っています。つまり、コラーゲンが全身の形と姿勢を決定していると言っても過言ではありません。加齢とともに体内のコラーゲンは劣化し合成能力も減ってきますが、コラーゲンは「糊」ですので、糊が劣化・減少すると若さを保つことができなくなります。

口から摂取されたタンパク質は体内に取り入れられると、アミノ酸に分解されてから再度さまざまなタンパク質に生まれ変わることは前述しましたが、コラーゲンには他のタンパク質には無いアミノ酸「ヒドロキシプロリン」と「ヒドロキシリジン」が必要となり、特にヒドロキシプロリンは、体内のコラーゲンを強くするための重要なアミノ酸となっています。
ヒドロキシプロリンもヒドロキシリジンも、体内でタンパク質が分解されてできた「プロリン」や「リジン」というアミノ酸が「プロリルヒドロキシラーゼ」という酸化還元酵素やビタミンCと鉄によってヒドロキシ化(水酸化)されて出来上がります。タンパク質の豊富な食事を摂っていればプロリンやリジン、鉄分が不足することはありませんし、犬はビタミンCを体内で作り出すことができますが、コラーゲンの合成を活発にさせるコラーゲンペプチドの摂取もおすすめしています。

運動もコラーゲンの合成能力を高めるということが知られています。運動によって血流が良くなることと成長ホルモンが分泌されることがコラーゲンを作る線維芽細胞を活性化し、より多くのコラーゲンを生成するようになるからです。

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コラーゲンペプチド

私たちのカラダの中にはいくつかの種類の体内タンパク質があります。骨や筋肉を作るコラーゲン、血の中にあるヘモグロビン、筋肉を動かすアクチンやミオシン、毛や爪の材料となるケラチンなどです。中でもコラーゲンは体内タンパク質の3割を占めています。

口から入った食材タンパク質が同じ種類の体内タンパク質になるわけではありません。しかも、コラーゲンは食材タンパク質の一つであるものの、アミノ酸スコアはゼロの食材タンパク質です。それは、必須アミノ酸のひとつ「トリプトファン」を含んでいないからです。

摂取されたコラーゲンは最後にはアミノ酸になるのですが、その過程で、完全にアミノ酸まで分解されない「オリゴペプチド」という形態が現れることが明らかになっていて、この「オリゴペプチド」が皮膚や骨、軟骨を作る細胞を活性化します。つまり、コラーゲンペプチドを摂取すれば、それが新陳代謝の触媒として体内タンパク質の合成に寄与すると期待されているわけです。

コラーゲンペプチドの供給元であるニッピはコラーゲンペプチドにほどよく含まれる非必須アミノ酸にも注目しています。非必須アミノ酸は必須アミノ酸よりも重要であるがゆえに進化の過程で自ら作り出す能力を得たものだという考えに拠っています。高齢になったら、人も犬も、いろんな能力が衰えますから、さもありなんという感じですね。

脂質は細胞膜や脳神経などカラダづくりの素材にもなりますが、ホルモンの材料やビタミン運搬の役目など体調を整える役目もあります。

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脂肪酸の分類

脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は肉やバターなど常温で固体の脂質食材に多く含まれています。不飽和脂肪酸は常温で液体なのですが、一価不飽和脂肪酸であるω9(n-9脂肪酸)と多価不飽和脂肪酸に分けられ、さらに多価不飽和脂肪酸はω6(n-6脂肪酸)とω3(n-3脂肪酸)に分けられます。

上記「飽和脂肪酸」「ω9」「ω6」「ω3」の内、体内で合成できないため食事で摂取しなければならない必須脂肪酸はω6+ω3=多価不飽和脂肪酸です。

食用油

飽和脂肪酸(常温で固体)
パルミチン酸ステアリン酸経由でオレイン酸に変換
ステアリン酸オレイン酸に変換
一価不飽和脂肪酸(常温で液体)
オレイン酸 (ω9)比較的酸化しにくい
多価不飽和脂肪酸(常温で液体)
=必須脂肪酸
リノール酸 (ω6)過剰摂取に注意(一部アラキドン酸に変換)
γリノレン酸 (ω6)炎症抑制(一部アラキドン酸に変換)
アラキドン酸 (ω6)炎症促進
αリノレン酸 (ω3)炎症抑制
DHA/EPA (ω3)炎症抑制

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犬の必須脂肪酸

必須脂肪酸(AAFCO基準 %)

脂肪酸の種類幼犬成犬
リノール酸 (ω6)1.31.1
αリノレン酸(ω3)0.08ND
EPA/DHA(ω3)0.05ND
ω6:ω330:1

ω6:リノール酸+アラキドン酸/ω3:αリノレン酸+EPA+DHA

【 リノール酸 】

リノール酸はn-6系(ω6)多価不飽和脂肪酸で、ベニバナ油、ひまわり油、コーン油、綿実油などに多く含まれています。血清コレステロール値を低下させると言われていますが、HDL善玉コレステロールを下げることにもつながり、アレルギー反応、カラダの酸化などのリスクも指摘されています。

【 αリノレン酸 】

α-リノレン酸はn-3系(ω3)多価不飽和脂肪酸で、エゴマ油、大豆油、アマニ油などに多く含まれています。心臓血管系疾患を予防効果が期待されています。わずかながら体内でDHAやEPAに変換されます。

【 EPA(エイコサペンタエン酸) 】

EPAはn-3系(ω3)多価不飽和脂肪酸で、いわし、まぐろなどの青魚の脂肪に含まれています。動脈硬化や認知症の予防効果が期待されていますが、米国FDAはDHAとEPAを合わせて1日2gを超えないように指導しています。

【 DHA(ドコサヘキサエン酸) 】

DHAはn-3系(ω3)多価不飽和脂肪酸で、EPA と同様、まぐろ、かつお、はまち・ぶり、さば、いわし、すじこなどの主に魚に含まれています。動脈硬化や認知症の予防効果が期待されていますが、米国FDAはDHAとEPAを合わせて1日2gを超えないように指導しています。

【 γリノレン酸 】

γ-リノレン酸はn-6系(ω6)多価不飽和脂肪酸でアラキドン酸に変わります。月見草油に多く含まれています。糖尿病由来の神経障害や関節リウマチの症状の軽減に対して有効性が示唆されています。

【 アラキドン酸 】

アラキドン酸はn-6系(ω6)多価不飽和脂肪酸で、主に肉、卵、魚、母乳などに含まれており、欧米などでは乳児用調製乳にも添加されています。免疫機能の調整機能も期待されていますが、炎症を促進することがあります。

ビタミンはカラダづくりの素材にはなりませんが、カラダが作られる際の重要な触媒になります。

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ビタミンの分類

ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。一般的に、水溶性ビタミンは水に溶けるため体外に排出されやすい反面、過剰摂取の弊害が少なく、脂溶性ビタミンは油に溶けるため体内にとどまりやすい反面、過剰摂取の弊害が出やすい性質があります。

多くのビタミンは体内で合成できないため食事で摂取しなければならないのですが、その種類は人と犬では異なります。

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犬の必須ビタミン

ビタミン(有機化合物)

必須ビタミン作用AAFCO基準
ビタミンA脂溶性成長・粘膜・皮膚・目5000 IU/kg
ビタミンD脂溶性骨・歯500 IU/kg
ビタミンE脂溶性抗酸化50 IU/kg
ビタミンB1水溶性糖代謝2.25 mg/kg
ビタミンB2水溶性エネルギー代謝5.2 mg/kg
ナイアシン水溶性エネルギー代謝13.6 mg/kg
ビタミンB6水溶性タンパク質合成・神経1.5 mg/kg
ビタミンB12水溶性赤血球0.028 mg/kg
葉酸水溶性赤血球0.216 mg/kg
パントテン酸水溶性エネルギー代謝12 mg/kg
コリン水溶性細胞・神経・代謝1360 mg/kg
非必須ビタミン機能
ビタミンK脂溶性止血
ビオチン水溶性皮膚・毛髪
ビタミンC水溶性抗酸化・コラーゲン合成

【 ビタミンA 】

ビタミンAは脂溶性ビタミンで、カロテンからも体内で生成されます。目や粘膜の保護に有用とされています。頭痛、めまい、昏睡あるいは死亡などの過剰摂取の弊害も示唆されています。

【 ビタミンD 】

ビタミンDは脂溶性ビタミンで、日光に当たる機会の少ない人では不足することがあります。ビタミンDはカルシウムの調整機能を持っていて、カルシウムとリンの吸収を助けることで骨を強くする働きがあります。日光浴で過剰摂取になることはありませんが、サプリメントの過剰摂取で心臓や腎臓を傷めることがあります。。

【 ビタミンE 】

ビタミンEは脂質の酸化を防ぐ脂溶性ビタミンで、欠乏すると神経障害を引き起こします。老化防止の効果が期待できますが、過剰摂取による弊害のリスクも否定できません。

【 ビタミンB1 】

ビタミンB1は水溶性ビタミンで、神経機能を正常に保つ作用があります。糖質を分解してくれますが、アレルギー反応が起こることもあります。

【 ビタミンB2 】

ビタミンB2は水溶性ビタミンで、脂肪をエネルギーとして利用する際に必要です。ビタミンB2の欠乏は多くの代謝系に影響を与えるため、正常な発育に欠かせません。過剰摂取で下痢を惹き起こすことがあります。

【 ナイアシン 】

ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称で、エネルギー産生や、脂質の代謝、アミノ酸代謝などに関与するビタミンです。その欠乏症は皮膚炎・認知症・下痢を起こす可能性があります。脳や血行促進に良いと言われています。

【 ビタミンB6 】

ビタミンB6は水溶性ビタミンで、アミノ酸代謝に関与し、たんぱく質をつくる際必要となります。過剰摂取により感覚神経障害などの悪影響が起こることがあります。

【 ビタミンB12 】

ビタミンB12は、葉酸とともに造血において重要な役割を果たしている水溶性ビタミンです。ベジタリアンや高齢者では欠乏することがあります。

【 葉酸 】

葉酸はビタミンB12同様、造血において重要な役割を果たしている水溶性ビタミンです。緑黄色野菜やレバーに多く含まれていて、生体内ではDNAやアミノ酸の合成にも関与しています。食材に含まれる葉酸は体内で吸収されにくいことが知られています。

【 パントテン酸 】

パントテン酸は脂肪酸の合成・分解での中心的役割を担うビタミンです。副腎皮質ホルモンの合成や脂質、糖質、タンパク質の代謝に役立つとされています。

【 コリン 】

コリンは水溶性のビタミン様物質とされる神経伝達物質のアセチルコリンの前駆物質です。脂肪肝や動脈硬化、高血圧の予防などに効果があるとされています。

【 ビタミンK 】

ビタミンKは脂溶性ビタミンで、ブロッコリーやホウレン草などに多いビタミンK1と細菌が産生するビタミンK2があります。ビタミンK2の経口摂取は、骨密度を維持し骨折予防に有効とされています。

【 ビオチン 】

ビオチンは水溶性ビタミンで、糖質や脂質、アミノ酸の代謝に関与し、皮膚の健康維持が期待されています。生の卵白の過剰摂取で欠乏症が生じることがあります。

【 ビタミンC 】

ビタミンCは、コラーゲン合成を介した正常な毛細血管の維持や抗酸化作用に必要な水溶性ビタミンです。ストレスや喫煙によって欠乏する危険性が指摘されています。コラーゲンの合成、抗酸化作用、免疫力強化などが期待されています。

ミネラルはカラダづくりの素材にはなったり、カラダが作られる際の重要な触媒になったりします。

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犬の必須ミネラル

ミネラル(無機物)

必須ミネラル作用AAFCO基準
幼犬成犬
カルシウム骨・神経・筋肉1.2%0.5%
リン1.0%0.4%
カリウム細胞・筋肉0.6%0.6%
ナトリウム細胞0.3%0.08%
塩化物細胞0.45%0.12%
マグネシウム0.06%0.06%
血・骨・筋肉88mg/kg40mg/kg
12.4mg/kg7.3mg/kg
マンガン骨・血7.2mg/kg5mg/kg
亜鉛血・筋肉・皮膚・舌100mg/kg80mg/kg
ヨウ素甲状腺1.0mg/kg1.0mg/kg
セレン筋肉・肝臓0.35mg/kg0.35mg/kg

【 カルシウム 】

カルシウムは骨や歯の材料となり、血液凝固や心臓の機能、筋収縮などに関与しています。欠乏症としては、くる病、骨軟化症、低カルシウム血症、骨粗鬆症などがあり。過剰摂取すると、結石などのリスクが高まります。摂取の際はリンとの比率が重要です。

【 リン 】

リンは骨や歯、細胞の材料となり、、生理機能にも関与しています。摂取の際はカルシウムとの比率が重要です。

【 カリウム 】

カリウムは細胞内の浸透圧の調整、筋収縮や神経伝達などに関与しています。血圧の正常化や筋肉の運動に役立つとされていますが、腎臓に問題がある犬には注意が必要です。

【 ナトリウム 】

ナトリウムは細胞外体液の浸透圧の調整や神経伝達、筋収縮などに関与しています。過剰摂取は高血圧やがんにつながる危険もありますので注意が必要です。

【 塩化物 】

塩素は細胞外体液の浸透圧の調整に関与し、胃液中の塩酸の素となっています。

【 マグネシウム 】

マグネシウムはカルシウムやリン同様、骨や歯の材料となっています。欠乏すると、神経疾患、精神疾患、不整脈、心疾患などが起こりますが、腎臓に問題がある犬には過剰摂取しないよう注意が必要です。

【 鉄 】

鉄には赤血球のヘモグロビンと結合して酸素の運搬に関与したり、コラーゲン生成を助ける働きなどがあります。欠乏症として貧血を、過剰摂取すると胃腸障害などを起こすことがあります。

【 銅 】

銅は酸化還元反応を触媒する酵素の構成成分となっていて、貧血予防や骨の強化に寄与しています。過剰摂取すると中毒を起こすことがあります。

【 マンガン 】

マンガンは抗酸化反応やエネルギー代謝に関与しています。過剰摂取するとパーキンソン病などの中枢神経系障害を引き起こすという報告もあります。

【 亜鉛 】

亜鉛は遺伝子発現、タンパク質合成や免疫機能全般に関与しており、欠乏は成長障害、食欲不振、味覚障害などを起こします。過剰摂取により神経症状、免疫障害、銅欠乏症などを起こすこともあります。

【 ヨウ素 】

ヨウ素は成長期の発達や基礎代謝調節で重要な働きをしている甲状腺ホルモンの材料となります。欠乏すると、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症などを引き起こすことがあります。

【 セレン 】

セレンは抗酸化反応に関与し、老化やがん防止に期待されているミネラルですが、過剰摂取で中毒を起こすこともあり、必要量と中毒量の範囲が極めて狭いことから、サプリメントなどによる摂取は注意が必要です。

食欲のない犬ほどカラダづくりの難しい犬はいません。食べないことにはカラダを作ることができないばかりか、健康を損ねる危険性も高くなります。

原則として、給餌量のコントロールなどで犬が自発的に食べることに期待しますが、それでも食べない犬には、人が積極的に関与せざるを得ません。ここでは、10年以上に及ぶペットホテル運営を通じてお泊り犬の観察で得られた経験を書いています。

※ 食餌は犬にとって非常に大切なイベントです。慣れていない犬に給餌する時は、咬まれないよう細心の注意を払いましょう。

※ 急に食べなくなった犬は、誤飲や傷病を患っている可能性もあります。

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給餌方法を変える

■ 器を変える

金属製の器、深すぎる器、ピカピカした器、ショッキングピンクの器など、器の素材や形、色などを嫌がっている可能性があります。まずはいろいろな器で与えてみましょう。また、器の置く高さにこだわる犬もいますので、器を置く高さを変えてみます。さらに、人が見ていないところや庭、ケージの中など、器を置く場所も変えてみましょう。

■ 手で与える

器から直接食べない犬が、手に乗せて与えたところ食べ始めたというケースも多くあります。

■ 言葉を変える

静かでないと食べない犬に言葉で急かすと食べなくなることがありますし、逆に、何かしらのコマンドを出さないと食べ始めない犬もいます。

■ 器を隠す

フードを見せた後、すぐに与えずに隠すフリをしてじらす作戦です。うまくひっかかればラッキーです。

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給餌内容を変える

■ ふやかす

同じフードでも、お湯でふやかして与えると食べ始める犬がいます。そういった犬は、温度の問題なのか軟らかさの問題なのかを測っておきましょう。給餌前ににおいを部屋中に充満させることが有効な場合もあります。

■ 茹で汁を混ぜる

鶏肉や魚、青野菜などの茹で汁を混ぜて与えます。玉ねぎやネギなどは

■ 高嗜好性食材を混ぜる

鶏肉や魚、チーズ、ミルク、ヨーグルト、オイルなどを混ぜて与えます。塩分過多には注意しましょう。私が運営していたホテルでは、ゴートミルク(ヤギのミルク)は解決手段としてほぼ完ぺきな結果を見せました。

■ フードの種類を変える

ドライフードを与えている場合は、フードの種類を変えてみます。同じメーカーのものでも主タンパク質が変わるだけで食べ始める犬もいます。ただし、注意して欲しいのが「油舌(あぶらじた)」と呼ばれるケース。ドライフードの最終工程で油を吹きかけている商品を食べなれている犬は、そうでないドライフードを食べないことがあります。その時、油を吹きかけたドライフードに変えることが良いのかどうかはケースバイケースです。できれば、良質のドライフードに人間用のアマニオイルやサーモンオイルなどを振りかけることから始めてみましょう。

ドライフードの種類を変えるのは、フードローテーションとしての飼い主主導による変更はかまわないのですが、犬に「食べなければ変えてくれる」という期待が芽生えると結構めんどくさくなります。

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クレール・コンサルタント