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バランスボールでアライメント調整

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人のフィットネスでもバランスボールは多用されています。犬用バランスボールは、主に爪による破れなどに配慮されて強化されていますが、機能や効能などは人用のものと変わりません。

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アライメント

「アライメント(アラインメント)」というのは、ゆがみ具合を指します。「アライメントの調整」とはそのゆがみを正常に戻す作業のことです。

今回は、バランスボールを使った犬のカラダのゆがみ具合(=アライメント)の調整について説明します。

犬のカラダのアライメントを語る時、本来なら、「体幹(カラダの四肢を除いた部分)アライメント」と「四肢アライメント」あるいは「前肢アライメント」「後肢アライメント」などを分けて考慮しなければなりません。体幹アライメントの調整作業は主に脊椎への負荷のバランスを調整する作業で、具体的には脊柱起立筋や腸腰筋などの筋力と神経伝達能力をバランスよく鍛える運動を行わせるものです。四肢アライメントの調整作業は肩関節や股関節およびそれらより遠位の関節の形状や動きを調整する作業で、前肢筋や後肢筋の筋力などを均等に鍛える運動を行わせるものです。

犬のバランスボールトレーニングは、四肢を浮かさない体勢(CKCトレーニング)で行われるもので、もっぱら四肢(あるいは前肢か後肢のどちらか)に負重を与える運動なのですが、四肢への負重を通じた体幹のゆがみを調整する運動として期待されていることが多いようです。もっとも、体幹アライメントと四肢アライメントはカラダづくりにおいて密接不可分の関係にありますので、ここで分けて考える必要もなさそうです。

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姿勢反応

人も犬も、急激な立ち位置の変動(支持基底面の外乱)が与えられた時、自らのカラダが三次元的にどういった体勢にあるのかを検知し、安定した体勢に戻そうとします。この反応を反射運動による姿勢反応と言います。正常な姿勢反応が見られる時は、体勢を把握するセンサー(プロプリオセプター)や双方向の神経が正常に働き、抗重力筋も正常に収縮していると判断されるのですが、その能力を研ぎ澄まし、日常生活でのつまづきなどを防止するのがこのバランスボールトレーニングです。このトレーニングを繰り返すことで神経機能の活性化や抗重力筋の強化(急激な刺激に対する筋肉の反射的等尺性収縮による四肢の筋力強化)が図られるとともにそのバランスが整い、結果としてカラダのゆがみが矯正されることになります。

犬の神経検査の「踏み直り反応(Placing reaction)」や「跳び直り反応(Hopping reaction)」は、この姿勢反応を観察することで神経が正常に働いているかどうかを判断しようというものです。

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前肢乗せ(Paws-up)

犬のバランスボールトレーニング犬のバランスボールトレーニングでの基本的な運動です。前肢を乗せたボールを揺らすことで犬に想定外の動きを与えます。股関節に始まる後肢よりも肩関節に始まる前肢の方が強い刺激を受けますので、前肢の負重運動による全身アライメントの調整運動と考えます。股関節を伸展させた状態での運動となりますので、股関節の脱臼・亜脱臼が疑われる犬の場合は専門獣医との事前相談が必要です。

後肢乗せ(Hindlimbs-up)

犬のバランスボールトレーニング前肢乗せ(Paws-up)とは逆に後肢のみを乗せたボールを揺らす運動です。肩関節の伸展を伴いますので、離断性骨軟骨症などが疑われる犬の場合は専門獣医と事前相談する必要があります。

全身立ち(Get-on-the-ball)

犬のバランスボールトレーニング前肢乗せ(Paws-up)や後肢乗せ(Hindlimbs-up)に比べると全身アライメントの調整効果は高まりますが、その分カラダへの負荷も大きいので、障害犬や高齢犬の場合は注意が必要です。

四肢乗せ(Four-paws-up)

犬のバランスボールトレーニング四肢のボールに乗せる点では全身立ち(Get-on-the-ball)と同じですが、ボールを複数使用することで、犬により想定外の動きを与えることができます。

後肢立ち(Dancing-on-the-ball)

犬のバランスボールトレーニング後肢に負重を与えながら想定外の動きを与える運動で、他の運動と異なり、全体重が2本の後肢のみに掛かりますので、後肢への刺激は最も強いものとなります。

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バランスボールトレーニングでの事故

バランスボールは犬に不安定さを提供するツールであるがゆえに、不安定さによる事故のリスクも高くなります。ボールがころがることで犬のカラダに強い負荷がかかるケースや、その弾力性のために降りようとした犬がバランスを失うなどのケースでの事故です。
人は、ボールの想定外の動きをコントロールするのみならず、犬の動きをコントロールする必要もあります。人も犬も慣れるまでは2人以上で慎重に運動させるようにしましょう。
場合によっては、バランスボールを弾力性の低いバランスボードに変えて運動をさせることも考えます。
また、地面を爪で捉えようとする犬の性質を鑑み、常にトレーニング前には爪の長さを短くしておくようにしましょう。

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クレール・コンサルタント