ウィジードッグクラブ

イヌパシー研究会

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「マテ」におけるイヌの感情

前回のコラムでイヌパシーというデバイスそのもののご紹介をさせていただきました。今回は、その実際について徒然と書いていきます。本格的な検証はもう少しデータが集まってからになりますね……。

私が最初に検証を実施したのは「マテ」の状態でのイヌパシーの変化の観察でした。
ご飯をあげる時に、「マテ」をさせているご家庭は多いのではないでしょうか? 『我慢させてる状態』ですね。私はしつけ教室で、この「マテ」を困った行動の改善策として多用します。
インターホンに吠えてしまう。
猫を見ると引っ張ってしまう。
飼い主様が帰宅したときに飛びついてしまう。
そのような問題行動に対する「飼い主の指示による抑制の効果」を期待しているからです。

「マテ」に従っている時、犬たちにはどのような感情が起こり、その時の外部刺激によりその感情がどのように変化するのか? それを観察し分析することは、普段のしつけ教室に大いに役立つのではないかと思うのです。

個別の観察

以下の動画をぜひご覧ください(見づらい部分もありますが、ご了承ください)。

ファン (5歳 ボーダーコリー ♂)

興味深い反応として、飼い主が離れた瞬間(動画の37秒あたり)に、緑(リラックス)から白(興味・集中)に変化しました。目線も飼い主を追いかけ続けていることから、関心が向いていることは分かります。イヌパシーが白(興味・集中)を示すのも納得の内容です。その後、飼い主が戻ってきた瞬間に虹色(ハッピー)へと変化しました。これは飼い主にとってもうれしい限りですが、何となくヒトの推測に沿っているような気がします。

動画の中で気になるポイントとして口をグッと閉じ、上目遣いになっている状態を続くことが確認できます。

下の動画は、直前に少しだけおもちゃ遊びをしていた時のものです。感情変化(色の変化)が比較的多いようです。注目すべき行動である【あくび】が数回見られますね(12秒、47秒あたり)。これは、よく言われる「緊張あるいは不安」を表すカーミングシグナルなのかもしれません。

ハル (10歳 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル ♀)

ボーダーコリーのファン同様、イヌパシーの色の変化としては、緑(リラックス)を中心にして、白(興味・集中)と虹色の発生が分かるかと思います。ただ、飼い主の方をあまり見上げずに伏し目がちな様子。人間でいうと落ち込んでいるような表情が見受けられます(27秒〜33秒、1分〜1分7秒あたり)。

アース (3歳 雑種 保護犬 ♂)

この子はとても敏感な子であり、人の手が近づくとさっと目を閉じて避けてしまうことが多い子です。上記ボーダーコリーとキャバリアの2頭に比べて、目をきょろきょろと動かして、耳をピンと立て、体を硬直させている様子が分かります。それでもイヌパシーの表示では緑(リラックス)が一番多く、白(興味・集中)と虹色(ハッピー)が多いとう上記2頭と似たような結果が分かりました。

検証を通じて私が感じたことがあります。

犬の様子を観察して感じていた「緊張や不安や恐怖」などといったイヌのマイナスの感情はイヌパシーでは表示されません。ということは、必ずしもヒトはイヌの感情を観察だけでは判断できないのではないのか? ということです。あくびや上目遣い、伏し目がちな表情・体をこわばらせている様子、といったよく言われる「不安を感じている」ようなシーンでも、イヌパシーではストレスという表示はほとんど現れませんでした。これはとても興味深い結果です。

私が今まで思い込んでいた犬の感情表現については、一旦白紙にした上で、別の視点を加味しながら観察していくことが必要な気がします。そして、そうすることで新たに気づくことも多いのかもしれません。もちろん、まだまだ何らかの結果を述べられるわけではありませんが、検証を続ける内に、これまでの「常識」をくつがえす発見がありそうな気がします。

イヌパシーのアプリ

イヌパシー私は、大きな見落としをしていました。なんと! イヌパシーはスマートフォンのアプリに連動し、以下のような画面を観察することが出来るのです。リアルタイムの感情表現が観察できるので、もっと便利に幅広く検証ができます。

今後、私たちは、皆様に何かしらのサプライズを提供できると信じて研究を続けてまいります。

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