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変性性脊髄症

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アスタキサンチンは自然界に広く存在する赤色の生体色素で、特に魚介類に多く含まれています。最近、この色素が持つ抗酸化力が脚光を浴び、国内外多くのメーカーがサプリメントの原材料として市場に出回らせるようになりました。

今回は、そのアスタキサンチンのお話です。

ヒトもイヌも、酸素を体内に取り込んで生命活動を維持しています。そしてその酸素の一部は、体内で反応性の高い活性酸素に変化します。この活性酸素は、免疫機能として働く、体にとって必要不可欠なものである一方で、正常な細胞まで傷つけ、様々な疾患をもたらす原因物質にもなってしまいます。本来、ヒトやイヌのカラダには活性酸素から自己防御する抗酸化機構が備わっているのですが、紫外線や激しすぎる運動といったいろいろなストレスなどにより活性酸素の産生が過剰になると、このバランスが崩れ、「酸化ストレス」と呼ばれる状態になってしまうんですね。

DMとALS

DMの原因はいまだに明らかになっていません。今のところSOD1というたんぱく質を作り出す遺伝子の変異により、活性酸素の除去がうまくいかないこと、つまり酸化ストレスが原因なのではないか、という仮説が最も有力となっています。一方、同じくSOD1遺伝子の変異が原因と考えられていた、ヒトのALS(筋委縮性側索硬化症)では、最近、他の物質が原因ではないかという説の方が有力となっているようです。

いずれにせよ、DMとALSではその機序においても大きく異なり、同一の原因に発しているものなのかさえも明確になっているわけではありません。両疾病ともまだまだ原因究明は闇の中なんですね。

アスタキサンチンの抗酸化力

人や動物の生体内での試験が行われたのかどうか、その情報を持ち合わせていないのですが、生体外の試験として過酸化水素を利用した細胞の酸化実験では、アスタキサンチンの細胞死抑制効果が観察されたようです。つまり、生体外での実験では、アスタキサンチンが過酸化水素による酸化力を抑えることができた、という結果が得られたようなんです。もちろん、これだけでその抗酸化力が健康に寄与する効果が証明されたとは言えませんが、この抗酸化力が犬たちの健康維持あるいは回復、特にDM犬の症状進行防止に寄与するのかもしれませんし、そうなることを願いたいものです。

その他の効果

アスタキサンチンは海外でもいろいろな実験が重ねられ、炎症プロセスの初期段階において炎症性物質が産生されるのを抑制する「抗炎症効果」や「免疫力向上」、「廃用(カラダを動かさない事)による毛細血管の退行防止」なども確認されていますので、今後、メタボや美容のためのサプリメントとしてもそれなりの地位を固めてくるのかもしれません。

DMの原因は、SOD1の変異によるものなのか、あるいは活性酸素によるものなのか、それも明確になっておらず、サプリメントどころか効果のある医薬品さえ見つかっていません。それでも、早く治療法が確立されることを祈りつつ、あきらめることなく、進行を抑える可能性のありそうな方策をこれからも探し続けていきたいと思います。

プロフ

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