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変性性脊髄症

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炎症

ご存知の通り、「炎症」というのは、正常な免疫反応のひとつで、カラダの恒常性(健康な状態)を維持するために大切な反応です。ただ、これが慢性になってしまうと、恒常性維持というメリットではなく生活の質を落とすデメリットを被ってしまうことになりますよね。最近は、「肥満も慢性炎症のひとつ」などと言われていますが、とにかくやっかいな症状が続くことになります。

炎症には「発赤(患部が赤くなること)」「発熱(患部が熱くなること)」「腫脹(患部が腫れること)」「疼痛(患部が痛むこと)」の徴候が現れますが、今回は、これらの徴候に関係するエイコサノイドという物質を産生するアラキドン酸カスケードについて説明をします。

エイコサノイド

「エイコサノイド」とは、体内で脂質から産まれる物質全般を指すのですが、狭義では、アラキドン酸から産まれるロイコトリエン、プロスタグランジン、トロンボキサンなどを指すことが多いようです。これらは脂質から生成される体内情報伝達物質ですので「脂質メディエーター」とも呼ばれます。もちろんどの物質も働きは少しずつ異なりますが、上記4つの炎症の徴候に関わり、患部が赤くなるのも熱くなるのも腫れるのも痛むのも、このロイコトリエンなどエイコサノイドの働きが欠かせないものとなっているのです。

これらの物質のおかげで短期間で治るのが「急性炎症」ですので、その意味では、 ありがたいと言えばありがたいものなのですが、「慢性炎症」となると、常にこれらの物質が働き続けるわけで、そうなるとありがたさが消えて大変やっかいものに変わることになりますね。

アラキドン酸カスケード

これらのエイコサノイドたちは、細胞膜内のアラキドン酸から産まれます。その過程を「アラキドン酸カスケード」と言います。カスケードは「滝」ですので、体内でアラキドン酸からエイコサノイドたちが滝のように現れ出るということなのですね。想像しただけでイヤな感じですね。

その「滝」には2つの流れがあります。リポキシゲナーゼ経路(LOX)と呼ばれる「滝」とシクロオキシゲナーゼ経路(COX)と呼ばれる「滝」です。ロイコトリエンはリポキシゲナーゼ経路でプロスタグランジンとトロンボキサンはシクロオキシゲナーゼ経路で生まれます。どちらの経路を抑制するかで産まれるエイコサノイドが異なるわけですので、同じ抗炎症剤でもどちらを抑制するかで効果は異なることになります。

ω3とω6

アラキドン酸以外に、広義のエイコサノイドを産生する脂肪酸に「EPA(エイコサペンタエン酸)」があり、こちらのエイコサノイドは逆に炎症を抑制する効果が認められています。

先回のコラムでも書いた通り、アラキドン酸はω6系オイル、EPAはω3系オイルから摂取することになりますので、ω3の摂取が推奨されることが多いのですが、ω6にはω6の重要な働きもありますので、「ω6に偏らないようω3も摂取する」程度に考えておいた方が良いでしょう。

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