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変性性脊髄症

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中枢神経は再生しない

「末梢神経は再生するけど、中枢神経は再生しない」……こんな話を聞かれたことはありますか? 現在では、こんな悲観的な説明を行う理学療法士や医者はいないと思いますが、末梢神経に比べて中枢神経が再生しにくいのは事実のようですね。

中枢神経と末梢神経とでは何が違うのでしょうか?

脳と脊髄を「中枢神経」、それ以外の神経を「末梢神経」といいます。DM(変性性脊髄症)の発症により変性していく脊髄も中枢神経です。
中枢神経も末梢神経も、下図に描かれた「神経細胞」という細胞を通じて情報伝達を行うシステムは同じです。

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異なるのは、神経細胞以外に、末梢神経の周りと中枢神経の周りでは別の種類の細胞(「グリア細胞」)があるということなんですね。神経を構成する細胞は神経細胞だけではないんです。
中枢神経のグリア細胞は、コラーゲンと反応して「グリア瘢痕」というかさぶたを作り、神経回路の再生を阻害します。今、大学などの研究所では、このグリア瘢痕という接着剤のようなかさぶたが弱くなれば、中枢神経の機能が回復するとして、その解決策を見出そうとしています。

脊髄内のグリア細胞

ここで、ちょっとだけグリア細胞について説明します。
中枢神経に存在するグリア細胞は4種類あります。「アストロサイト」と「オリゴデンドロサイト」、「ミクログリア」「上衣細胞」です。その働きは完全に解明されていませんが、アストロサイトは神経細胞を安定させる支えとして、オリゴデンドロサイトは神経細胞への栄養補給するものとして、ミクログリアは神経内の免疫を司るものとして、上衣細胞は脳脊髄液(CSF)の液流の方向性に関与するものとして、働いているであろうことが示唆されています。その内、脊髄内にあるのは、下図にある3種類のグリア細胞です(「ニューロン」と書かれているのは「神経細胞」です)。

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アストロサイトというグリア細胞

このグリア細胞の中で、DMの原因となるSOD1という変異型タンパク質が神経細胞と同じように凝集する細胞はアストロサイトなのですが、実は、グリオーシスと呼ばれる症状を経てグリア瘢痕を形成するグリア細胞こそ、このアストロサイトなんですね。岐阜大学動物病院にも書かれていますが、DM解決のカギはこのアストロサイトにあるのかもしれません。

物理的損傷に伴う「かさぶた」とDMにおける「変性」が同じでないであろうことは承知していますが、アストロサイトと呼ばれるグリア細胞が何かしらに反応しているようだ、という点では同じです。

中枢神経の再生促進を研究する過程で、DMも一緒に解決されると嬉しいですね。

プロフ

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